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執筆者の写真Maki Yoshida

7月レッスンレポ Biscuit de Savoie



フランスの南東部、アルプスのふもとに広がるサヴォワ地方の伝統菓子。

型の由来は諸説あるが、雪をいただくアルプスの山がモチーフと言われた

背の高いもの、また、シャンベリー城をかたどり、皇帝の冠をイメージしたとも

言われています。


油脂が入らず、小麦粉と同量のコーンスターチ、卵とグラニュー糖から

成るとてもシンプルなお菓子。卵の膨らみを最大限に利用した、

とても軽いお菓子であることに皆様驚かれていましたね。


暑いこの時期は注意する点が多くありますので、書いておきます。


≪型の準備≫

これが一番重要であることをレッスンでもお伝えしました。

型離れするために必要ではありますが、これまでのマドレーヌなどの

お菓子とは違い、油脂の入らないサヴォワ。

型に油脂を多く塗り過ぎるとその部分が穴となり、ひどい場合は陥没します。

バターは一度塗りで薄く、しっかり。塗り漏れのないように。

涼しい時期は手袋をしてバターを塗れば、手の温度でちょうどよく

綺麗に細かい部分も塗ることができますが、夏時期は手の温度でバターが

溶けてしまうので、はけで塗って下さい。

使用するバターは、はけで綺麗に伸びる硬さ。溶かしバターは塗り過ぎになります。

また、オイルスプレーはシンプルな材料なだけに、オイルの香りを感じる方もおりますので

ダメとは言いませんがご注意下さい。

油脂を塗った型は冷蔵庫でしっかり冷やして下さい。これもポイントです。

その後、グラニュー糖をふりますが、しっかり冷えていないと厚く付きます。

サヴォワはお菓子の本によく掲載されていますが、その中で強力粉をふる場合もよくあります。レシピの配合にもよると思いますがmackylab レシピでは縮みますので

必ずグラニュー糖をふってください。そして冷やします。


≪生地≫

卵黄、卵白の別立て法です。

どのくらい泡立てるかによって、膨らみが異なります。

レッスン時の卵黄とグラニュー糖のたて具合。

冬時期は少し温めてからが作りやすいです。


メレンゲの立て方。

これまで卵白を泡立てメレンゲを立てるお菓子はいくつかありましたが、

これらはチョコレートなど重いものを軽い食感にするために、

しっかりとしたメレンゲをたてて合わせてきました。


今回は卵黄と、少なめな粉類のみ。

ピンと角がたつほどたててしまうと、メレンゲが小石のようにコロコロしてしまい

逆にあわせにくくなります。結果混ぜすぎになるか、または混ぜ切らず

焼成後、マシュマロのようにそのまま塊が残ることがありますので、

レッスン時のようにグラニュー糖を入れるタイミングは少し早め、

ある程度メレンゲが立ちましたら、ホイッパーに変えて手で立てることが

安全な方法です。

ホイッパーで持ち上げると、メレンゲの先が少しだけ折れるくらいが理想です。


最後の全体のあわせは、ゴムベラで混ぜ終わりがゆっくりボウルに広がる速さです。

全く広がらない場合はまだ生地にもツヤがなく混ぜ足りません。

逆に勢いよく広がってしまった場合は混ぜすぎですので、次回以降注意して下さい。

型に流すとリボン状に折り重なっていきます。


ここでトントンはダメです。生地を入れたらそのまま。上面をならす程度でオーブンに

入れましょう。


焼成時間はオーブンよって異なりますが、いつも通り予熱はしっかりしておいてから

焼いてください。オーブンについている天板に型をのせて焼成すると、

底面部分の火通りが悪いです。(2重にカバーされている状態ですから)

アミを天板と同様に差し込めるタイプのものは、アミに変更し、

グラついてしまう場合はお持ちでしたらシルパンやシルパットをのせて

焼成すると良いと思います。

アミがない場合は、100キンで販売していますいます魚を焼くアミで代用可能です。

その際、オーブンにセルクルか何か置いた上にアミ、そして型をのせます。

これによりある程度、火通り良くなりますので、どうしても下火が弱いオーブンをお持ちの方は試してみる価値はあると思います。


焼成後、パーンと型を叩かず、側面をパンパンを叩いて型抜きをして下さいね。


一通りレッスンでご説明をしていると思いますが、これまでのお菓子とは

扱いが異なりますので、お気をつけ下さい。


素朴なお菓子ですので、このままでも美味しいと思いますが

ジャムはもちろん、はちみつ、メープルシロップ、アイスクリーム等

あわせてお楽しみください。


≪コンフィチュール≫

デモでのご紹介となりましたが『夏みかんのコンフィチュール』

こちらは粉末のペクチンを利用することで、お好み甘さ、硬さに

作り上げることが可能です。ペクチンの使い方はご覧いただいた通りです。

規定量を入れれば、ゼリー状になります(多少の硬さの違いあります。

元々ペクチンの多いフルーツは強めなぜリーになります)


まずはペクチンを使用することに慣れるために、少量からお試しすることを

おすすめします。

今回は柑橘類(皮のあるもの)全般に使える作り方をお伝えしました。


折を見て、フルーツ全般に言えるようなコンフィチュールの作り方を

お伝えできればと思います。


もし実際に作ることにご興味があれば、実習レッスンに盛り込みたいと思います。

来夏ですかねー。フルーツが美味しい季節ですから。桃やいちじく、杏など。


≪紅茶≫

夏時期のWelcomeはアイスティをご用意しております。

今回はTWG Tiger Hill tea でした。

私の要望はクセがなく、飲みやすいもの。

これは他のフレーバーなどと合わせるのにベースとなる紅茶。

どなたにでも美味しく召し上がれます!の一言で決定しました。

お暑い中いらしてくださった皆様、ぐいっと召し上がれたのではないかな。と思います。


お菓子と一緒には同じくTWG Dimbulaをお出ししました。

おそらく、この辺りは試食の準備に追われあまり紅茶のご説明はしていなかったような。

今回のサヴォワは異なるジャムと共に召し上がっていただいたので

紅茶の主張があまり強くないものを選びました。


≪焼型≫

実習では14cmクグロフ型を使用しました。

ご試食等でラクソン型をご紹介しましたが、背が高いので

購入される時はお持ちのオーブンの高さを確認してからのご購入をおすすめします。





レッスンスタート前は、素朴なお菓子すぎて不安もありましたが、

参加された皆様が気に入ってくださっているようで、

とても嬉しく感じています。

今回のレッスンは型から綺麗に抜けるか?焼成後でないとわからないという

とてもとてもチャレンジなレッスンで毎回緊張の連続でした。

おかげ様で冬に増えた体重が元に戻りました(笑)


ご質問はメール、またはインスタグラム DMより、いつでも承ります。

レッスン前日等はお返事が遅れる場合があります。


引き続き宜しくお願い致します。

                       Macky Laboratoire 吉田真紀






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